昭和21年4月。桜子はめでたく達彦と「山長」で結婚式を挙げる。達彦は、戦争で死にそうになった時にピアノの「愛の夢」のメロディーが聞こえてきて、桜子ともう一度連弾したいと祈って命が助かったと告白。
そしてその晩、二人が結ばれたことに感激した徳治郎は、有森家にあるピアノにもたれながら、静かに息を引き取る。翌、22年夏。達彦は桜子が作曲したものに感銘を受け、上海から東京に戻って来た西園寺に発表する機会を作って欲しいと相談する。
西園寺はこれに賛同。但し、桜子自身が演奏することを提案する。戦時中、手慰み程度にしかピアノを弾いていなかった桜子は、演奏会に向けて練習を始める。しかし練習のし過ぎのせいか、桜子の体調が思わしくなく、一度病院に診てもらったところ、妊娠3ヶ月であることがわかる。
「山長」も有森家も皆、大喜びし、達彦は演奏会よりお腹の赤子に気を使うようになる。そんな折、演奏会のチラシを見たと言って、かつて桜子と婚約を交わした斉藤が「山長」を訪問。桜子が今でも音楽にいそしんでいることに感じ入る。