達彦が、味噌の蔵元を継ぐために音楽学校を辞めると言い出し、桜子はショックを受ける。そんな折、東京に住んでいた杉冬吾が突然、有森家に現れ、何か食べさせてくれと頼む。笛子はその非常識な態度に腹が立ち、冬吾を追い帰す。
桜子と達彦は、おおっぴらに二人で居辛くなるが、このまま別れたくないからと、神社の木で結び文を交わす約束をする。そんな二人の前に現れる冬吾。桜子は笛子に、冬吾がしばらく有森家で寝泊りできるよう頼むが、事あるごとに笛子と冬吾はぶつかってしまう。
その後、達彦は、桜子に惚れているキヨシから、結婚の約束無しに会い続けるのは卑怯だと言われ、かねからも桜子のことは忘れろと言われる。達彦は桜子に、音楽を諦めて結婚しないかと投げかけるが、桜子はそれはできないと突っぱねる。
一方、かねは達彦に別の女性と見合いするよう計らう。二人の仲はもはやこれまでと思ったキヨシは、桜子に結婚を申し込むが、その気になれない桜子はプロポーズを断る。そして、桜子は達彦とこれから、お互い前向きに生きようと言って別れ、東京へ向かう。