国民学校の事務員になった桜子は、良太が他人の弁当を盗むのを発見。以来、時々弁当を分けてやるようになる。良太のほか数名の生徒は、空襲のあった東京から岡崎に疎開したものの、親と離れ離れで満足な食べ物にありつけないという。そんな子供たちを励まそうと、桜子はヤスジからヒントを得て童話「北風と太陽」の紙芝居を作り始める。
一方冬吾は、東京大空襲の衝撃で絵が描けなくなっていたが、子供たちを絵で笑わせてほしいという桜子の言葉に、ようやく立ち直るきっかけをつかむ。そんな折、国民学校の校長が桜子に代用教員の口を紹介する。職場は遠く、家から通える場所ではなかったが、冬吾への思いが膨らむことを恐れた桜子は、教員を受けると返事をする。
しばらくして、杏子が岡崎を訪れる。鈴村浩樹と、空襲で孤児となった幸も一緒で、結婚して家族になることを了解してほしいという。夫婦の先行きを心配する笛子は最初反対するが、杏子たちの絆の強さを実感してから認めるようになる。杏子たちが東京に帰り、笛子と加寿子が不在の夜、ついに岡崎も空襲に襲われる。桜子と冬吾は、亨を連れて防空壕に逃げるが、足が完治しない冬吾が遅れる。桜子は防空壕の知人に亨のことを託し、冬吾を助けに戻る。