桜子がダンスホールに通っていることを知らされ、心配した笛子は、東京に駆けつける。桜子が大衆食堂で働く間、笛子は達彦たちから桜子の頑張り具合を聞く。途中、岡崎から徳治郎までもが桜子を連れ戻しにやってくるが、マロニエ荘の仲間たちに認められ、一人前の大人として懸命に生きる桜子の姿にうたれた笛子は、桜子にもう1年のチャンスを与える。
夏になり、女学校時代の親友・薫子と再会した桜子は、かつての婚約者・斉藤の近況を彼女から聞く。薫子は二人の再会を取り図ろうとするが、結局、斉藤は置手紙だけ残していく。一方、達彦は西園寺から、演奏家の道を目指すためにドイツ遊学を勧められるが、かねに許してもらえるかどうか悩んでいた。
そして、頻繁にダンスホールに出入りする不謹慎な桜子に、その行動を慎むべきだと忠告するが、桜子に反発される。自分をわかってくれないことに苛立つ達彦は、ついに桜子への恋心を告白する。