達彦は戦争の後遺症を背負っていたが、桜子が彼の味方になることで心は徐々に開かれていく。そんな折、復員した先生たちが学校に戻って来て、桜子は代用教員を辞めざるをえなくなる。
秋山に頼まれたジャズバンドの名古屋公演に精を出そうとする桜子だが、達彦はいまだ音楽から遠ざかっている。そしていよいよ始まる名古屋公演。桜子は磯が作ってくれた可愛らしい服を着て張り切るが、途中で指が止まってしまい、客の米兵から野次を飛ばされる。
一方達彦は、名古屋には足を運ばず店にいたが、そこに冬吾が訪れる。桜子に自分がふさわしいのかどうかわからないという達彦に冬吾は、今までさんざん迷惑をかけてきたのだからこれからはその分を返すべきだと助言する。さらに達彦は、桜子が生前のかねと二人で写っている写真を発見し、仙吉からその頃の様子を聞く。感極まった達彦は、急いで桜子の名古屋公演に駆けつける。
公演は最終的には大成功に終り、桜子は秋山から再度、正メンバーにならないかと誘われる。それを聞いた達彦は、桜子に東京進出を勧めるが、桜子は達彦がそばにいるから音楽が続けられると心情を吐露する。