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美しい娘と牡馬による悲恋の物語です。
昔あるところに貧しき百姓あり。妻ななくて美しき娘と一匹の馬を養う。娘この馬を愛して夜になれば厩に行きて寝ね、つひには馬と夫婦になれり。
ある夜父はこのことを知りて、その次の日に娘には知らせず、馬を連れ出して桑の木につり下げて殺したり。その夜娘は馬のをらより父に尋ねてこの事を知り、驚き悲しみて桑の木の下に行き、死したる馬の首にすがりて泣きゐたりしを、父はこれをにくみて斧をもちて後ろより馬の切り落とせしに、たちまち娘はその首に乗りたるまま天に昇れり。オシラサマといふはこの時よりなりたる神なり。(遠野物語第69話)
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